NIPPONIA 美濃商家町 MINO MERCHANT TOWN

ギャラリー

  • CHISATO TANAKA ” River of memory “

    田中 千智による新作展「記憶の川」を開催します。

     期間:2021/10/2 〜 12/26

     開廊日:土・日

     開廊時間:11:00 〜 16:00

    NIPPONIA美濃商家町「大極殿」にて特別展示も行います。

    田中千智ルーム 宿泊予約 / Reservation

    「記憶の川」心にしまった記憶がよみがえる

    − 岐阜県美濃市 滞在制作

    2020年12月、田中千智は岐阜県美濃市を訪れました。

    美濃市は人口2万人の小さなまちですが、豊かな山や川の恵みがあり、人々はそれらを毎日の営みに大切に生かしながら、暮らしています。

    かつて日本のどこでも見ることのできた自然や暮らしの風景があちらこちらで見られるまちです。

    そこで数日間を過ごした田中千智の目には、どんな景色が映ったのでしょうか。

    どこか遠い場所ではなく、今この時代に生きる同じ人間の暮らしから見える風景と息づかいが、彼女の絵を通して立ち上がります。

    漆黒の背景は私たちの心の深層に溶け込み、そこに描かれるひとやモティーフが、私たちの誰もが持つ昔の懐かしい記憶、その断片に触れ、呼び覚まされるように感じます。

    田中千智がどんな美濃の「いま」を捉えたのか、今回の新作展で表現されます。

    美濃和紙 × 田中 千智

    − 絵具と和紙が融合した新たな田中千智の新作公開

    今回の展示では、絵具と和紙を使用した田中千智の新作が公開されます。

    和紙提供の協力を得たのは、美濃で70年近く操業する機械すき和紙メーカー「丸重製紙企業組合」さん。

    多くの種類がある和紙の中で、田中千智が目をつけたのは、商品にはならない和紙の端材でした。

    機械ですいた和紙は、販売のためにサイズを揃えたり、端を綺麗にするために、端を裁断し、大量の和紙の端材が生まれます。一見用途のなさそうな様々な和紙の端材は、それぞれに個性があり、田中千智の創作へのインスピレーションを掻き立てました。端材といっても和紙としての強度や美しさは、商品になる和紙と同じです。その端材を生かして、油彩とアクリル、美濃和紙を使用した作品を制作しました。

    現代社会で、紙は、安くて簡単に手の入るものですが、まだ日本の各地で、手間をかけ、工夫を凝らしながら伝統的な和紙を作り続ける工場の人々や職人さんがいます。田中千智の作品は、和紙と和紙をめぐる営みに新たな息吹を吹き込みました。

    Washi-nary

    丸重製紙企業組合が運営する和紙原紙ショップ「Washi-nary」では「ワインの世界を楽しむように、和紙の世界を楽しんでほしい」という思いでスタッフが和紙ソムリエとして、お客様にあった和紙選びのサポートや使い方の提案をされています。

    作品と宿泊できる特別プラン

    − NIPPONIA美濃商家町「大極殿」

    ギャラリーの展示と並行して、美濃和紙を保存していた約100年の蔵を上質な客室に改修した「大極殿」にて田中千智の作品を展示しています。

    ギャラリーの展示とは別作品で、NIPPONIA美濃商家町ならでは特別な宿泊プランです。一棟貸しタイプの客室で他のお客様との接触リスクが少なく、プライベート空間が保たれたコロナ禍に嬉しいお部屋です。

    ご予約はこちらから

    ゆっくりと作品を眺め、語らい、眠り目覚めることで、和紙と絵具、過去と現在、異質なものがコラージュする空間に、自分自身もまた融け合っていくひとときをご体感ください。

    また、こちらのお部屋はギャラリーの開廊日に有料公開も行なっております。

    ———「大極殿」一般向け特別公開 ———

    日時:展示期間中 土・日 11:00 〜 16:00  

    料金:500円

    ひと組につき30分までの鑑賞とさせていただいております。

    ご鑑賞ご希望の方は事前にご連絡ください。 mail: collage@nipponia-mino.jp

    Artist profile

     田中 千智(たなか ちさと)

    国内外の展覧会・アートフェアで作品を発表を行っている。

    黒一面の背景に艶のある油彩で主題を描く独特の画風が高く評価され、展覧会のほか書籍の表紙絵も多く手掛ける。現在は、福岡を拠点に絵画制作を行っている。

    1980年 生まれ、福岡育ち。

    2005年 多摩美術大学美術学部 絵画 学科油画専攻卒業。2006年より福岡を拠点に作家活動を開始。 

    2010年「新世代への視点 2010」に選出。同年 「ART AWARD NEXT#1」青年会賞受賞。

    2012 年「VOCA 展 2012」推薦。2013年「損保ジャパン美術賞展」優秀賞受賞。 

    2014年「第5回福岡アジア美術トリエンナーレ」福岡アジア美術館 (WATAGATA ARTS NETWORKより参加 )

    2015年  横浜市民ギャラリーで個展「I am a painter」を開催。2019年「西日本文化賞奨励賞」受賞。

    2022年2月 Bunkamura Gallery(東京)個展を予定。

    tanakachisato.com

    GALLERY COLLAGE

    高度経済成長・グローバル化の中で忘れられてきた、土地の自然・歴史文化に根ざした暮らしと風景は、今再び私たちにとって大きな意味を持つようになりました。羅針盤なき時代に、現代アーティストの多様な視点から「美濃のいま」を切り取り、「ローカルの価値」を発信していきます。カフェを併設しており、コーヒーを飲みながらアートと向き合う時間を過ごすことができます。

  • NIPPONIA美濃商家町-満月 

    シーズン・ラオ特別展示

    「坐辺師友」

    自然の余白と対峙し、かつての和紙商人の栄華に思いを馳せる

    NIPPONIA 美濃商家町 — 満月

    岐阜県美濃市うだつのあがる町。かつて和紙の商人たちで栄えたこの町の中心に、宿泊施設「NIPPONIA美濃商家町」があります。繁栄を遂げた紙商・松久才治郎の賓客をもてなすために建設された別邸を、築90年の趣をそのままに、宿泊施設に改修しました。

    豪快で商才に長けた才治郎ですが、一方ではお茶をこよなく愛した数寄者、文化人でもありました。どの部屋からも心地よい風光や、美濃の自然の恵みを楽しむため、大小5つの庭を囲むような間取りとし、茶室は稽古場を含めて4部屋配置されています。庭からつくり始め、完成まで5年の歳月をかけた旧松久才治郎邸の主屋で、最も趣向を凝らした茶室と庭と書院を、「満月」という名の客室として改修しました。重厚な畳床、四方柾目の床柱、総柾目の天井。時に庭と協調し、時に結界となる障子戸、雅やかな襖戸、波打つ無双窓、欄間や引手の一つにも主の趣味が見て取れ、巡るうちに最大限のもてなしの意が込められた建物であると気づきます。

    EXHIBITON PDF (English content)  

    Lotuses 2 氷蓮図(二)- Season Lao / 755×1680mm / 2019, handmade-paper, ink,photography  

    今回、その客室「満月」の本茶室に、シーズン・ラオ「氷蓮図」が展示されました。(特別公開期間は2021.12.31まで)

    「氷蓮図」ではシーズン・ラオが 東北で出会った光景がうつしとられています。 凍った池に、静かに終焉を迎えようとしている蓮の姿です。 繊細と静寂の作品中の、 凍って止まった蓮の息は風に揺られて息づき、 眠れる遠の生命は、根の空間と、 自然の白雪や雲が生み出す 水墨画のような「間」となって表されており 繊細と静寂の作品中に東洋的自然観のミニマリズムを連想させます。

    かつて主人がお茶で客をもてなした空間で自然の余白と対峙する時間は鑑賞者の精神性を引き出します。北大路魯山人の言葉 「坐辺師友(優れたものに囲まれて生活していると その心を自ずと学びとることができる)」を 思い起こさせる空間となっています。

    「NIPPONIA美濃商家町」シーズン・ラオ特別宿泊予約 / HOTEL RESERVATION  

    「シーズン・ラオ 美濃・余白」

    GALLERY COLLAGE

    「NIPPONIA美濃商家町」内の資材蔵だった空間を改修し2021年4月新しくオープンした「GALLERY COLLAGE」の杮落としとしてシーズンラオ氏が招聘されました。これまでも手漉きの紙を作品に使用してきたラオ氏ですが、美濃の歴史や人々と触れあい、和紙職人との対談や滞在経験を経て、美濃和紙という素材に宿る精神、またその美しい白さに惹かれ、美濃の新作を含めた「シーズン・ラオ 美濃・余白」を開催する運びとなりました。(Gallery展示期間:2021.4.27-9.26)

    Mino,Gifu,Japan – Season Lao / 1270×920mm / 2021, Hon-Mino-shi paper,ink,photography

    板取川での撮影風景

    「偶然は必然と実感します。」

    美濃に滞在した三日間の間に降った大雪。 雪化粧に包まれた板取川の白。 その川の両岸に住む美濃の方々からの多大な協力は彼にとって美濃の文化、歴史、自然と交わりながら美質と本質を理解する貴重な滞在となりました。この展覧会が、美濃の記憶から現代へと繋げる一つのきっかけになることを願います。

    自然と一体となり紙を漉くことへの共感

    美濃和紙職人澤村 正(左)とシーズン・ラオ(右)澤村氏の工房にて

    70年以上和紙を漉き続けている和紙職人 澤村正氏は、無形文化遺産に登録される本美濃紙を漉く数少ない職人の一人です。シーズンラオは美濃の滞在中、澤村氏の工房を訪れました。澤村氏は「人は自然の中ではとても弱い生き物だ」と話します。気分の乗らない時も凍てつくような寒い冬も、同じ工程で和紙を漉き続けているからこそ感じる、自然や身体感覚の機微。それらをコントロールするのではなく手放し無心で漉き続けることの難しさを澤村氏は語ります。東日本大震災をきっかけに人と自然が共生する必要性を考えるラオ氏にとって、自然を敬いながらも身を委ね、自然と一体となり紙を漉くことと向き合い続ける澤村氏の精神性に触れたことは、作品作りに大きな影響を与えました。

    美濃のまちを新たな視点から捉える

    Opening reception & Workshop

     展覧会のオープニングイベントとしてラオ氏によるワークショップを開催し、美濃のまちの人々に参加していただきました。普段生活している日常の風景の中に流れる歴史に触れ、各自アーティストステートメントを作り、撮影を行い、それをラオ氏が後日講評するというもの。参加者にはその場所の気配を感じ、深く理解し、感性や発想を発揮することが求められます。ラオ氏からは現代アートの考え方や撮影するときの精神性、時間を経て自分の作品を見ることの面白さなどの講義があり、その学びを経てを伝えました。参加者が各々で作品を制作し、現代美術作家と直接交流するこのワークショップと展示を通じて、美濃のまちを新たな視点でとらえ発見する面白さを学びとる有意義な時間となりました。

    Artist Profile

    シーズン・ラオ ( Season Lao 劉善恆 )

    1987年マカオ生まれ、日本在住。マカオ理工学院大学卒業。
    変わりゆく地元のアイデンティティの模索をしたいという思いから作り上げた彼の作品が反響を呼び、生家を含む歴史的建造物群の価値が再評価されて取り壊しが中止になる。
    20代の10年間で北海道に移住。東日本大震災をきっかけに、人と自然が共存する道を探す必要性を強く感じる。彼はその後東洋美術の精神性を取り入れて、グローバリズムの中で社会問題を反映する作品を制作している。
    現在は京都を拠点にしながら、アジアと欧米の展示会やアートフェアで作品を発表している。
    日本、中国、韓国、アメリカ、イタリア、スイス、シンガポール、台湾などコレクション多数。

    HP : www.season-lao.com